暗号資産ポートフォリオ分析

8週連続ETF資金流出に歯止め、ドル安・円高局面での実質金利動向を注視するBTC・ETHコア戦略
基準日: 2026年8月
作成: A.I.P株式会社

1前提となるマクロ環境分析(2026年8月現在)

① ETF資金流出に歯止め、機関投資家マネーは回復の兆し
ビットコイン・イーサリアムETFは8週連続の資金流出局面にいったん歯止めがかかり、合計2.8億ドル規模の資金流入に転じた。直近ではビットコインETFに一時的な流出も見られる一方、イーサリアムETFはブラックロックのETHBやモルガン・スタンレーのMSSE(上場初日500万ドル流入)等を中心に底堅い需要が続いており、ETH関連ファンドへの資金流入強度はBTCの3倍以上との指摘もある。
② セクターローテーション分析との整合(選別的なリスクオン地合い)
今月のセクターローテーション分析では情報技術・金融・資本財の3セクターが「強気」の一方、一般消費財・素材は円高進行を受けて「中立」に格下げされるなど、市場全体は選別的なリスクオン地合いに移行しつつある。ハイベータ資産である暗号資産は、AI・半導体への根強い資金需要の恩恵を受けやすい一方、全面的なリスクオンではない点には注意が必要。
③ 価格水準とボラティリティ
ビットコインは急速な円高進行下でも円建て換算で約1,000万円(ドル建てでは約63,000ドル前後)で推移。イーサリアムは約1,800ドル台で底堅く推移している。値動きの荒さは引き続き大きく、ポジションサイズの管理が重要となる。
④ 為替介入によるドル安・円高がリスク資産に与える影響
7月30〜31日の政府・日銀による為替介入を受け、ドルインデックス(DXY)は3日連続で下落し100近辺まで軟化した。一般にドル安局面はドル建てリスク資産であるBTC等にとって追い風とされる一方、FRBは新議長ウォーシュ氏の下でタカ派姿勢を維持しており、9月・12月の利上げが意識される局面では実質金利上昇を通じてハイベータ資産の重石となり得る。ドル安と金融引き締めという相反する力学の綱引きが、当面のボラティリティを左右する主要変数となる。

2最適な構成比率と主要投資指標

■ ポートフォリオ目標配分
BTC
(35%)
ETH
(25%)
国内関連株
(40%)
※値動きの荒いBTC・ETH現物をコアとしつつ、国内の暗号資産関連上場企業をサテライトとして組み合わせることで、現物のボラティリティを一定程度緩和しながら業界成長を取り込みます。
■ ポートフォリオ予想総合指標(加重平均)
約 $63,000
BTC価格
約 $1,800
ETH価格
約 2.8億ドル
BTC+ETH ETF週間純流入(直近)
8週ぶり
ETF資金流出からの転換
中立〜やや強欲
Fear & Greed指数
$55,000〜$75,000
今後3ヶ月の想定BTCレンジ

3採用銘柄・ETFの詳細分析

銘柄名(コード)/比率 主要指標 株価上下要因・現在の位置 選定理由・スポンサー評価
コア(BTC)
ビットコイン (BTC)
価格: 約$63,000
ETF: 8週ぶりの資金流入転換
8週連続の資金流出局面に歯止めがかかり、機関投資家マネーの復帰が意識され始めている。直近では一時的な流出も見られ、方向感はなお不安定。 暗号資産の中核資産として時価総額・流動性ともに圧倒的。機関投資家のポートフォリオ組み入れが進む「デジタルゴールド」的な位置付け。
コア(ETH)
イーサリアム (ETH)
価格: 約$1,800
ETF資金流入強度: BTCの3倍以上
ブラックロックのETHBやモルガン・スタンレーMSSEの上場等を背景に、資産規模対比の資金流入強度がBTCを上回る底堅さを見せている。 スマートコントラクト基盤の代表格として、ステーキング利回りや実需(DeFi・RWA)の裏付けを持つ点がBTCとの分散効果を生む。
関連株
マネックスグループ (8698)
暗号資産取引所コインチェック運営
BTC/ETH価格連動性: 高
ETF資金フローの底打ちとともに取引高・預かり資産の回復期待が高まっている。 国内有数の暗号資産取引所を傘下に持ち、現物を保有せずとも業界成長の恩恵を受けられる代替アクセス手段。
関連株
SBIホールディングス (8473)
SBI VCトレード運営
金融コングロマリット分散効果: 高
証券・銀行・暗号資産を含む総合金融グループとして、単一事業リスクを抑えつつ暗号資産関連収益も取り込む。日銀の追加利上げ観測も金融事業側の追い風。 暗号資産事業単体のボラティリティを、他の金融事業の安定収益で緩和できる点が個人投資家にとって扱いやすい。
関連株
GMOインターネットグループ (9449)
GMOコイン運営
マイニング事業も保有
取引所事業とマイニング事業の両輪を持ち、価格上昇局面では収益レバレッジが効きやすい構造。 取引所・マイニングの両面から暗号資産業界の成長を取り込める、国内では数少ない銘柄。

4資金投下・時間分散戦略(2段階投資の執行)

【第1弾】現在(2026年8月):資金の50%を即時投入
ETF資金流出が8週ぶりに流入へ転換した現時点で、まずは予算の半分を上記の配分比率(BTC35:ETH25:関連株40)で投入し、ポジションを確保します。
【第2弾】秋口(2026年9〜10月):残りの50%を投下
11月米中間選挙を控えたリスクオフ局面や、FRBの9月・12月利上げ観測でボラティリティが急上昇する場面があれば、残りの50%資金で押し目買いを執行します。

5出口戦略(売り時・利益確定の目安)

■ キャピタル利益確定とリバランスの最適タイミング
① BTC・ETH現物:想定レンジ上限到達時に一部利益確定
想定レンジ上限(BTC $75,000前後)に到達した場合、ポジションの一部を利益確定し、下落局面での再投資余力を確保します。
② 国内関連株:長期保有(維持)またはリバランス
暗号資産業界の成長は複数年にわたる構造的テーマであるため、関連株は基本的に保有継続とし、四半期ごとの預かり資産・取引高の推移で業績モメンタムを確認します。